2007年 12月 17日
シンポジウム終了 |
SA・KURA・JIMAプロジェクトを振り返るシンポジウムを行いました。
シンポジウムの内容を簡単ですが報告致します。
言葉の微妙なニュアンスがお伝えできなくて大変申し訳ありません。
パネリスト 福島大輔(NPO法人桜島ミュージアム)早川由美子(NPO法人文化芸術支援NPOPandA)藤浩志(美術家)
【浦田】プロジェクトに関して、良かった点を簡単にお願いします。
【福島】使われなくなった建物を使う、という桜島ミュージアムがいつも行っている方法とは別の方法で地域が元気になった。
【早川】山下家に一目惚れして始まったプロジェクト。とても勉強になった。
【藤】鹿児島で育った自分にとって、精神的な核である桜島に用事ができたこと、そこで表現活動が出来た事が良かった。眺めるものから触るものになった。
【浦田】では逆にあまり良く無かった点をお願いします。
【福島】基本的にすごく楽しかったので、これといって無いが、強いていえば地元の人との交流をもっと出来たかもしれない。そしてもっとたくさんの人に観てもらいたかった。
【早川】当初の計画ではプロジェクトをじっくり進めて行こうと思っていたが、建物の利用期限に引っ張られてしまった。作家としての作品制作と運営との段取りができなかった。
【藤】もう少し経たないと分らないが、時間とお金はたくさん使った。実行委員としてもっと関わりたかったし地元の人と交流もしたかった。
【浦田】それでは、プロジェクトの今後について、ご意見お願いします。
【藤】桜島に面白い人が寄ってくるようにしかけたら良い。作家以外の人にプロジェクトが開放できていなかった。例えば、町歩きをする→使いたくなるものを発見する→作る。これは「桜島に触る」ということになる。
【福島】作家に関しては大いに開放していた。桜島ミュージアムも、「何か面白いことをしたい人」が集まっている状況を作れていないと思う。
【早川】会期が終わった今でも「美術展の概念を覆された」「創作意欲が湧いてきた」「元気になった」などとプロジェクトの話を多くの人から聞く。
【藤】一般的な「アート」とは「完成したもの」だ。地域とアートを結びつけるのに役立つのは「作る」行為。
桜島に関わりたいと思っている人に素材(旅館など今までと違う出来事)などをぶつける事。これは完成とは真逆。
先ほど浦田からアートと経済効果の報告があったが、アートが直接経済効果を招くということは無い。あくまで二次的な産物として動き出す。常に発信することで「ここには最先端の人達がいる」というイメージがつく。そこに世の中の流通を考える人が反応する。そのことで、例えばブランドショップが出来たり、カフェが出来たり。しかしそうなると元いた人は居心地が悪くなって出て行ったりするのだが…。
【福島】早川さんが運営するかわなべ森の学校もそういう雰囲気が作れているのでは?
【早川】川辺は前任者が10年程やっていて、今は自分がそれになんとか追いつこうとしている状態だから何とも言えない。6月の新聞に「鹿児島のアートシーンは'霧島派'へ」という記事が載った。プロジェクトが終った今でも、市内から見る桜島の姿は変わらない。桜島の面白さを伝える事やフェリーを渡らせるのは大変だと感じる。
【藤】やっぱり「桜島はいいなあ」と感じる。先日「デザイン会議」に出席したが、今後地球は確実に水面が上昇する。災害も増えていくそう。桜島は活火山なのに暮している人がいる。防災で成立っている島、常に戦っている島だ。桜島は防災や地球の未来を考える場所に適しているのを感じた。そんな時、いつも手を動かしているアーティストが役に立つはず。
【福島】台風被害もひどいしや溶岩でも被害がある。火山との共生、地球との共生を考える事ができる。
【藤】仕組みか拠点かという話がある。仕組みを作るだけでは人が集まる場所に困るのだが、逆に拠点があるとその運営だけで大変で仕組みが作れなくなったりする。
【浦田】ここで会場の皆様からご意見ご感想を頂きたいと思います。
【来場者】手作りの作品が暴れている感じでとても楽しかった。ただ、作品の見所が分るプレートが欲しかった。来場者に対して「また来てね」という暖かさやもてなしが足りないのを感じた。また、作家の今後の情報が分るものが欲しい。
桜島の観光客の書いた「桜島男前」という言葉が心に残っている。自分にとって桜島は元気になる場所、エネルギーチャージが出来る場所だ。
【来場者】自分にとって桜島は、見えない世界・神・シャーマンと繋がる為の望遠鏡、装置だ。いかに魂があの世に行くかを考えている。
【来場者】自分は石を眺める事が好きだ。マニアックだけれど、そのことを発信しつづける事が大事な気がする。そして誰かと何かやりたい。
【来場者】萩原の話は普遍的だし自分もそう思う。しかし「アートの館」というタイトルに疑問がある。「アートの館」は「英会話学校」のようなもので英会話を習いたい人は気にならないが、それ以外の人に取っては無関係で入らないもの。モヤモヤを抱えて居る人、桜島を男前だと思っている人にとって開放できていないのでは。
【来場者】自分は今鹿屋市にいるが、ベンチのある無人販売所を見るとホッとする。そんな休憩所がたくさんあると良いなと思う。
【藤】新潟は3回芸術祭を行って「拠点」がいたるところに点在している状況が出来た。拠点は重要だ。
以上です。
シンポジウムの内容を簡単ですが報告致します。
言葉の微妙なニュアンスがお伝えできなくて大変申し訳ありません。
パネリスト 福島大輔(NPO法人桜島ミュージアム)早川由美子(NPO法人文化芸術支援NPOPandA)藤浩志(美術家)
【浦田】プロジェクトに関して、良かった点を簡単にお願いします。
【福島】使われなくなった建物を使う、という桜島ミュージアムがいつも行っている方法とは別の方法で地域が元気になった。
【早川】山下家に一目惚れして始まったプロジェクト。とても勉強になった。
【藤】鹿児島で育った自分にとって、精神的な核である桜島に用事ができたこと、そこで表現活動が出来た事が良かった。眺めるものから触るものになった。
【浦田】では逆にあまり良く無かった点をお願いします。
【福島】基本的にすごく楽しかったので、これといって無いが、強いていえば地元の人との交流をもっと出来たかもしれない。そしてもっとたくさんの人に観てもらいたかった。
【早川】当初の計画ではプロジェクトをじっくり進めて行こうと思っていたが、建物の利用期限に引っ張られてしまった。作家としての作品制作と運営との段取りができなかった。
【藤】もう少し経たないと分らないが、時間とお金はたくさん使った。実行委員としてもっと関わりたかったし地元の人と交流もしたかった。
【浦田】それでは、プロジェクトの今後について、ご意見お願いします。
【藤】桜島に面白い人が寄ってくるようにしかけたら良い。作家以外の人にプロジェクトが開放できていなかった。例えば、町歩きをする→使いたくなるものを発見する→作る。これは「桜島に触る」ということになる。
【福島】作家に関しては大いに開放していた。桜島ミュージアムも、「何か面白いことをしたい人」が集まっている状況を作れていないと思う。
【早川】会期が終わった今でも「美術展の概念を覆された」「創作意欲が湧いてきた」「元気になった」などとプロジェクトの話を多くの人から聞く。
【藤】一般的な「アート」とは「完成したもの」だ。地域とアートを結びつけるのに役立つのは「作る」行為。
桜島に関わりたいと思っている人に素材(旅館など今までと違う出来事)などをぶつける事。これは完成とは真逆。
先ほど浦田からアートと経済効果の報告があったが、アートが直接経済効果を招くということは無い。あくまで二次的な産物として動き出す。常に発信することで「ここには最先端の人達がいる」というイメージがつく。そこに世の中の流通を考える人が反応する。そのことで、例えばブランドショップが出来たり、カフェが出来たり。しかしそうなると元いた人は居心地が悪くなって出て行ったりするのだが…。
【福島】早川さんが運営するかわなべ森の学校もそういう雰囲気が作れているのでは?
【早川】川辺は前任者が10年程やっていて、今は自分がそれになんとか追いつこうとしている状態だから何とも言えない。6月の新聞に「鹿児島のアートシーンは'霧島派'へ」という記事が載った。プロジェクトが終った今でも、市内から見る桜島の姿は変わらない。桜島の面白さを伝える事やフェリーを渡らせるのは大変だと感じる。
【藤】やっぱり「桜島はいいなあ」と感じる。先日「デザイン会議」に出席したが、今後地球は確実に水面が上昇する。災害も増えていくそう。桜島は活火山なのに暮している人がいる。防災で成立っている島、常に戦っている島だ。桜島は防災や地球の未来を考える場所に適しているのを感じた。そんな時、いつも手を動かしているアーティストが役に立つはず。
【福島】台風被害もひどいしや溶岩でも被害がある。火山との共生、地球との共生を考える事ができる。
【藤】仕組みか拠点かという話がある。仕組みを作るだけでは人が集まる場所に困るのだが、逆に拠点があるとその運営だけで大変で仕組みが作れなくなったりする。
【浦田】ここで会場の皆様からご意見ご感想を頂きたいと思います。
【来場者】手作りの作品が暴れている感じでとても楽しかった。ただ、作品の見所が分るプレートが欲しかった。来場者に対して「また来てね」という暖かさやもてなしが足りないのを感じた。また、作家の今後の情報が分るものが欲しい。
桜島の観光客の書いた「桜島男前」という言葉が心に残っている。自分にとって桜島は元気になる場所、エネルギーチャージが出来る場所だ。
【来場者】自分にとって桜島は、見えない世界・神・シャーマンと繋がる為の望遠鏡、装置だ。いかに魂があの世に行くかを考えている。
【来場者】自分は石を眺める事が好きだ。マニアックだけれど、そのことを発信しつづける事が大事な気がする。そして誰かと何かやりたい。
【来場者】萩原の話は普遍的だし自分もそう思う。しかし「アートの館」というタイトルに疑問がある。「アートの館」は「英会話学校」のようなもので英会話を習いたい人は気にならないが、それ以外の人に取っては無関係で入らないもの。モヤモヤを抱えて居る人、桜島を男前だと思っている人にとって開放できていないのでは。
【来場者】自分は今鹿屋市にいるが、ベンチのある無人販売所を見るとホッとする。そんな休憩所がたくさんあると良いなと思う。
【藤】新潟は3回芸術祭を行って「拠点」がいたるところに点在している状況が出来た。拠点は重要だ。
以上です。
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by artkazan
| 2007-12-17 17:33
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